メンタルの不調は体の病気と同じく早く発見して早く治療を始めるほど、より軽症で済む可能性が高いです。
できるだけ早く、自分自身や身近な人のメンタルの不調に気づいて対処するための、メンタルヘルスケアの基礎知識やセルフケアについて解説します。
メンタルヘルスケアとはなにか
(1) 最近よく聞く「メンタルヘルスケア」って?
最近、メンタルヘルスケアという言葉を聞く機会が増えていませんか?
従業員を守るためのメンタルヘルスケアは企業の義務であり、アンケートや面談でストレスチェックを行い、メンタルの不調をひきおこさないための対策に取り組んでいます。
メンタルヘルスケアとは、ストレスなく働けるようサポートする仕組みをつくること、そしてそれを実践することをさします。
雇用形態や役職、ストレスの度合いなどに関係なく、すべての働く人が対象になります。
もちろん、特にストレスが高い職種や部署が重点的にケアされることはありますが、ストレスが高い人だけをケアすればいいという考え方はありません。
つまり、経営幹部から新入社員まで、すべての人がストレスなく働けるよう配慮し、ストレスを軽減するためのサポートをするのがメンタルヘルスケアです。
参考:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(厚生労働省)https://kokoro.mhlw.go.jp/attentive/atv003/
(2) 自分を守れるのは自分!セルフケアも大切
メンタルヘルスケアは、基本的には企業の取り組みをさします。
しかし、いくら手厚いサポートがあっても、会社の仕組みだけで心の状態をケアするのはとても難しいことです。
個人でも心の病気やメンタルヘルスケアの知識を身につけ、初期の段階からメンタルの不調を自覚できるようにしておくことが大切です。
初期の段階でメンタルの不調から自分を守れるのは、不調の原因となるストレスをこまめに解消したり、働き方や生活を見直したりするなどのセルフケアなのです。
「知る」から始まるメンタルヘルスケア
(1)偏見や誤解が多い、心の病気を理解する
メンタルヘルスケアでは、心の病気やストレスについて知ることが第一歩とされています。ほとんどの人は、心の病気についてよく理解しておらず、偏見を持っている場合もあります。
実は、心の病気に偏見を抱いている人は、自分自身のメンタルの不調を自覚したときに、気づかないふりをして悪化させてしまうケースがあります。これはかなり危険なことです。「情けは人の為ならず」ということわざがありますが、まさに心の病気にかかる人への偏見が自分に向けられ、病気を悪化させるリスクになるということです。
最近、うつ病による休職者が急増し、うつは誰でもかかる病気という考え方は広まってきましたが、うつにかかった人との向き合い方やうつを予防するにはどうしたらよいかなど、心の病気について理解しておくべきことはたくさんあります。
(2)メンタルヘルスのカギはストレス
ストレスが心の病気の引き金になっているのはご存じですよね。
ストレスという言葉は、何となく体調が悪いときの理由づけや迷惑行為の言い訳に使われるほど、身近になっています。しかし、自覚できないストレスの怖さやストレスとの向き合い方については、あまり理解されていないようです。
たとえば、ストレスは誰もが感じるものだから「ストレスがあるのはあたり前」とか「ストレスは放置して大丈夫」と考えるのは間違いです。
ある人はストレスを蓄積しない考え方が身についていたり、無意識にストレスを解消できたりするなど、ストレス耐性の個人差はかなり大きく、同じ職場で同じ仕事をしていても、ストレスの蓄積やメンタルヘルスへの影響には差ができます。
(3)ストレスをためないためにどうすればいい?
会社や上司が、どんなにメンタルヘルスケアを頑張ってくれたとしても、ストレスをゼロにするのは不可能と考えた方がよいでしょう。
そもそもストレスは仕事だけでなく、家庭や個人的な人間関係の中でも生まれます。
極端な話、夏の暑さや隣の人のクシャミすらストレスになります。
ストレスをためないためには、発生するストレスを減らすことも大切ですが、こまめにストレスを解消するのが効果的と言えます。
ストレス解消の方法は人それぞれで、飲酒やドカ食い、衝動買いなどの行動に走る人もいます。
しかし、後悔や罪悪感などのネガティブな感情が残る方法は、結果として新しいストレスにつながってしまうので、おススメできません。
ストレス解消に役立つ習慣
ストレスへのセルフケアの第一歩は「自覚する」「認知する」ことと言われています。
自分の気持ちやストレスの蓄積を把握ができれば、生活習慣や行動によって、ストレスを緩和・軽減することもできます。
遠回りのようでも、ライフスタイルのリズムを整え、心地よい生活を送ることがストレスのリセットにつながります。
(1)質の高い睡眠
睡眠不足や質の低下はそれ自体がストレスになります。成人の理想の睡眠時間は6~7時間と言われていますが、質の高い睡眠がとれれば、それより短くても充分な場合もあります。質の高い睡眠のためには体内時計が正常に機能することと、スムーズな入眠のために準備するのが効果的です。
(2)運動習慣
運動には心と体のバランスを整える効果があります。
血流促進や代謝アップなどの身体的な効果だけでなく、運動後の爽快感や達成感などで気分もアガります。
厚生労働者の若者向けのメンタルヘルスサイトでは、「1日20分を目安、汗ばむくらいの運動」を推奨しています。
肩こりや腰痛対策や睡眠の質を高めるヨガなど、自分の目的に合わせて、運動の種類を選べば、体のメンテナンスもできて一石二鳥ですね。
参考:こころもメンテしよう(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
(3)丁寧な食生活
ジャンクな食事が諸悪の根源とは言えませんが、やはり人間の体は食べたものでつくられますので、栄養バランスのとれた食事は大切です。
単に栄養だけの問題だけでなく、食べるものから季節を感じたり、料理や食事を楽しんだりすると気持ちがリセットされて、ストレス解消につながります。
メンタルヘルスケアにも効果的な運動習慣
今回は、メンタルヘルスケアの考え方とセルフケアについてご紹介しました。
心の病気やストレスについて正しく知ることはとても重要です。正しい知識を身につけたうえで、ストレスをためないライフスタイルを実践していきましょう!
日々のストレス解消には、楽しみながらできる運動習慣が効果的です。
でも、一つのことを続けるのが苦手という人は多いです。ジム通いや自宅トレーニングに挫折して、トレーニングウェアや器具が過去の遺産として残っている人もいるでしょう。
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