リモートワークにより、オフィスワーカーの仕事スタイルと生活は大きく変化しました。
特に都心への通勤者は、通勤から解放される点に魅力を感じています。
その反面、「リモートワーク疲れ」を自覚する人も多いです。
体への負担が少ないリモートワークで疲れるのはなぜなのか?
リモートワーク疲れに適切に対処するために、その原因から理解しましょう!
リモートワーク疲れとは
あなたは、リモートワーク疲れを感じたことはありますか?
一般にリモートワーク疲れとは、体がだるいなどの倦怠感、眼精疲労、肩こりなどの身体の状態のほか、精神的なストレスなどが含まれます。通勤の負担が無くなったにもかかわらず、疲労が軽減されていない場合は、リモートワーク疲れかもしれません。
リモートワーク疲れ(テレワーク疲れ)について、青汁などのヘルスケア製品のキューサイ株式会社が、テレワーク継続の意向、生活の変化や疲れなどに関する調査結果を2021年9月に発表しています。この調査では、テレワーク勤務による体調の変化や疲れを感じている人が多いことが明らかになっています。調査結果の詳細はこちらでご覧になれます。
20代~50代の男女520名を対象にしたテレワーク生活に関する調査(キューサイ株式会社)
https://corporate.kyusai.co.jp/news/detail.php?p=6233
リモートワーク疲れの5つの原因
リモートワーク疲れの原因は、仕事や生活スタイルの変化によるものと考えられます。主な原因について考えてみます。
リモートワークによる仕事スタイルの変化
リモートワークに伴って業務がデジタル化され、業務フローや仕事の進め方が変わっています。個人でタスクやスケジュールを管理する仕事スタイルが求められ、自己管理や進捗状況を共有するコミュニケーションが重要になります。
新しい仕事スタイルに、プレッシャーを感じている人もいるでしょう。小さなことでは、リモートワークのために導入されたツールや業務フローへの違和感もストレスになります。それによって仕事がスムーズに進まなかったりすると、さらにストレスは大きくなります。
また、上司や先輩と離れているため、仕事上の指示を受けづらいと感じる人も多いようです。一人で仕事を進める不安が重なり、ストレスとなる場合があります。
リモートワークによるコミュニケーションの変化
リモートワークにより、コミュニケーションのとり方も変化します。オフィスで隣り合う席に座っていれば、声をかけるタイミングをはかるのは簡単です。気軽に上司や先輩への質問や相談ができ、ちょっとした雑談も息抜きになっていたはずです。
しかし、リモートワークでは、社員同士でも、携帯電話やチャットツール、オンライン会議システムなどを通さなければコミュニケーションがとれません。相手がどういう状況にあるかわからないので、相談しづらくなったという人もいます。
リモートワークによる仕事環境の変化
主に自宅で行われるリモートワークで、オフィスのように機能的な環境を整えるのは難しいです。特に家庭用のデスクや椅子は、長時間のパソコン作業に適していない場合が多いです。デスクワークに向かない仕事環境は作業効率を下げるだけでなく、体にも負担がかかります。これが眼精疲労や肩こりや腰痛の原因となる場合があります。
アフターコロナのリモートワーク定着も見据えて、自宅のリフォームやリモートワーク用の家具を購入する人が急増しているそうです。
リモートワークによる生活習慣の乱れ
通勤のための時間と労力が削減される一方、生活のリズムを崩してしまう人が多いようです。通勤は単なる移動だけでなく、身だしなみや朝食をとるなどの行動の動機づけとなり、通勤を核として朝のルーティンが作られていました。このルーティンがなくなり、生活習慣が乱れてしまう人がいます。リモートワークによる外出機会の減少は、運動不足だけでなく、食事や睡眠の質の低下など、健康上のリスクにもなっています。
リモートワークによる身体的な疲れ
倦怠感や漠然とした体の不快感は、運動不足からくる疲れかもしれません。運動する習慣がなかった人でも、通勤や仕事のための外出で歩く機会がありました。それがなくなって、運動不足になっている可能性があります。
リモートワーク疲れが出やすい人、習慣
疲労やストレスの感じ方には、環境や性格による個人差があります。リモートワークでは、自宅などの作業環境や仕事の進め方の違いの影響がより大きくなります。例えば、上司や同僚との間に物理的な距離ができることを心地よいと感じる人がいれば、不安を感じる人もいます。
総じて、生真面目で仕事を抱えこむタイプの人はストレスを溜めこみやすいと言われていますが、これは、リモートワーク疲れが出やすい人とも共通すると考えられます。仕事の時間管理やペース配分がうまくいかず、休憩がとれなくなったり、根を詰めすぎてしまったりということがあるようです。
また、オンオフの切り替えが苦手な人は、職場と自宅の境目がなくなったために、気持ちの切りかえられず、ストレスを溜めやすくなることも。仕事のペース配分や気持ちの切り替えは、一般的にはリモートワークに慣れるにつれて解消されますが、新しい環境に慣れる順応性や適応性には個人差があります。
こちらにリモートワーク疲れが出やすい人の特徴や習慣(一例)にあげてみます。もし、あてはまるようなら、リモートワークの疲れが溜まっていないか気をつけてみてください。
リモートワーク疲れを解消する方法
前項のリモートワーク疲れの原因をみると、仕事という「社会生活」が心と体の健康に影響を及ぼしていることがわかります。あらためて、ウェルビーイング(well-being)の重要性が実感されます。
ウェルビーイングは「身体的・精神的・社会的に良好な状態」をさす概念で、WHO憲章(世界保健機構、1974年採択)において、健康の定義として使用されている「ウェルネス(wellness)」から派生した言葉です。ウェルネスは、単に病気ではない状態をさす「ヘルス(health)」とは異なり、「社会的に良好である」という点が重視されます。世界的にも、ウェルビーイングの概念を経営に取り入れる企業が増えています。日本でも、「健康経営」という視点で経営基盤を強化する取り組みが始まっています。
ウェルビーイングであるためには、仕事とプライベートをバランスよく両立させ、疲れやストレスを解消していくことが需要です。今回のテーマであるリモートワーク疲れは、原因であるストレスや運動不足に対して適切なケアをすることで、かなり解消できます。ここでは、リモートワーク疲れを解消する方法を紹介します。
①就業時間を守り、きちんと休憩をとる
帰宅時間がなくなったために仕事に集中し過ぎてしまい、オーバーワークになってしまう人がいます。原則は就業時間内で仕事を終了させ、急ぎでない仕事のために残業するのは避けましょう。また、昼食や休憩がいい加減になってしまうこともあるようです。簡単なものでよいので、栄養ある食事をとることで仕事のパフォーマンスも向上します。
②生活習慣を整える
通勤時間がかからなくなったからと言ってギリギリまで寝ていたり、深夜まで起きていたりすると、睡眠のサイクルが乱れ、質の良い睡眠がとれなくなります。一日のタイムスケジュールを決め、生活のリズムを守るようにしましょう。外出せず、人と会うことがなくても、着替えや身だしなみを怠らないようにすると効果的です。
③タスクごとに時間を決めて作業する
効率よく、仕事をするためには時間管理が大切です。タスクごとに納期と完了時間を設定し、しっかり時間管理することで、納期遅れや急ぎでない仕事のために無駄に残業をするのを避けられます。予定した時間内に終わらなかった場合は、仕事の進め方などを振り返り、ブラッシュアップしていくことでスキルアップにつながります。
④オンオフを切り換えるルーティンをつくる
自宅で仕事をしているとオンオフの切り替えがしづらくなり、オフタイムでも仕事のことが頭から離れなかったり、逆に仕事に集中できなくなったりするケースがあります。仕事専用のスペースを設ける方法もありますが、オンオフを切り替えるルーティンをつくるのも効果的です。例えば、仕事が終わったらシャワーを浴びる、部屋着に着替えるなど、気持ちの切り替えのトリガーとなるアクションを習慣にする方法です。
⑤意識的に体を動かす機会を作る
仕事の合間に、意識的に体を動かしましょう!これはリモートワークに限らず、推奨されています。休憩時間に散歩やストレッチなどの軽い運動を行うことで脳がリフレッシュされ、作業効率が向上します。肩こりや腰痛、眼精疲労を軽減する効果も期待できます。
リモートワークでストレスを溜めないために
リモートワーク疲れの主な原因は生活習慣の乱れと運動不足、そして生活や仕事の変化による精神的なストレスです。通勤や外出機会の減少からくる運動不足の解消には、意識して運動する以外の方法はありません。運動することで心身がリフレッシュされ、ストレス解消にもつながります。日常的に運動する習慣をつけると、リモートワークのストレスをその日のうちに解消できるでしょう。
また、人とのコミュニケーションが少なくなったことにストレスを感じている方には、会社単位でのグループレッスンや社外の人とも交流できる、BRSTのオンラインレッスンがお奨めです。
健康や運動に関する正しい知識を身につけ、ウェルネスライフ、ウェルビーイングをめざしましょう!