従業員の健康促進のための福利厚生として、フィットネスジムの法人会員になっている会社は多いです。フィットネスジムに通い始めても続かない人が多く、利用率の低さが悩みという福利厚生担当者もめずらしくはありません。
パーソナルトレーニングは、利用者にとっても、福利厚生として導入する企業にとってもメリットがありますが、福利厚生として採用する場合にはネックとなる部分もあります。
パーソナルトレーニングのメリット、福利厚生として導入する際の留意点、福利厚生で利用できるパーソナルトレーニングジムを解説します。
パーソナルトレーニングのメリット、一般的なジムとの違い
パーソナルトレーニングと一般的なフィットネスジムの違いは、コーチやトレーナーによる個別指導があるかどうかです。ただそれだけと思う方もいるかもしれませんが、実はこの違いが運動習慣の定着にも関わっています。
ご存じの通り、フィットネスジムではマシンの使い方などの説明はありますが、個人的な指導はサービスに含まれません。有料オプションとして、パーソナルトレーニングを用意しているフィットネスジムもあります。
マシンの使い方を教わっただけでは、どうしても自己流のトレーニングになってしまいます。トレーニングは姿勢やフォームのちょっとした違いで、効果に差が出てしまいます。また、トレーニングの機能や効果を正しく理解することで効果はより上がりやすくなり、継続のモチベーションにもつながります。つまり、パーソナルトレーニングは効果があがりやすく、続けやすいと言えます。
その一方、利用者一人一人にコーチがつくパーソナルトレーニングは、一般的なジムと比較すると費用は高くなります。
パーソナルトレーニングを福利厚生に利用するポイント
パーソナルトレーニングジムに関する費用を福利厚生として計上するためのポイントは、福利厚生費とするためのポイントは、フィットネスジムとほぼ同じです。パーソナルトレーニングに関して、特に注意すべきポイントを解説します。
>福利厚生費として計上するためのポイントを知りたい方はこちら
関連記事:フィットネスジムは福利厚生の経費にできる?その方法とメリットを解説https://brst.work/column/welfare-1/
(1)法人として契約する
パーソナルトレーニングジムを利用するほか、指導してくれるコーチやトレーナー個人に依頼する方法があります。福利厚生として利用する場合、サービス提供者が法人でないといけないというルールはありませんが、雇用者が法人として契約する必要があります。支払いについても利用料を精算するのではなく、会社から支払う形が望ましいです。
(2)従業員は誰でも利用できるようにする
少数の従業員しか利用できない状況では、会社の福利厚生費として認められない可能性があります。たとえば、全国に従業員がいるに関わらず、特定地域でしか利用できない状況は避けるべきです。どの地域で働いていても、同等の福利厚生を受けられるようにしなければなりません。
(3)費用負担の配分を決める
法人契約だからと言って、利用料のすべてを会社が負担しなければいけないということではありません。法人と利用する従業員の費用負担の配分を調整できる法人プランもあります。当然ですが、個人負担の割合が低いほど、従業員は利用しやすくなります。
(4)あると嬉しいサービス
福利厚生として経費計上するためには、サービス利用規程と利用実績の記録を残すことが必要です。税務監査が入ったときに、これらが揃っていないと福利厚生費として認められない可能性がありますので要注意です。
この利用実績を集計する作業は意外に手がかかります。オンラインウェルネスBRSTでも、法人プランを提供していますが、参加状況やコーチからの個別アドバイスをまとめたレポートを毎月提出しています。
オンラインウェルネスBRST/法人プラン
https://brst.work/price/
福利厚生で利用できるパーソナルトレーニングジム5選
パーソナルトレーニングジムは、フィットネスジムと比較すると、全国展開しているような大規模店は少ないです。全国に拠点を持つ会社は、福利厚生の地域格差が生じないよう配慮しなければならないため、利用できる店舗を確認する必要があります。
(1)24/7ワークアウト
https://247-workout.jp/corporate/
完全個室マンツーマン指導のパーソナルジムの法人向けサービス。健康講座とグループトレーニングなどのセッションを組み合わせたオリジナルプランを実施します。
プラン概要 | 出張セミナー(ダイエット、食事改善、生活習慣病予防などの講義+トレーニングほか)、コースの入会金無料 |
利用できる店舗 | 全国 ※一部店舗は対象外 |
(2)RIZAP
ウェルネスプログラムは、セミナー(出張もしくはオンライン)をベースに食事指導、運動、フォロー、ヘルスマメジメントなどを組み合わせ、従業員特性に合わせたプランを提案します。
プラン概要 | セミナーコース(出張orオンライン)、結果にコミットコース(3か月間のRIZAP体験)、5minトレーニング、RIZAPコラム、E-Learningなどのオリジナルプラン。
セミナーなどの実施ベースで料金が発生。 |
利用できる店舗 | 要確認 |
(3)RiDEAL
https://www.rideal.co.jp/ofigym
会社が購入した回数券を使って従業員がジムを利用します。専用アプリで食事、コンディションを管理し、トレーナーとコミュニケーションをとることができます。
プラン概要 | 入会金、年会費は無料。回数券(有効期限6ヶ月)を購入費用のみ。
トレーニング30回券269,000円(税込)~、コンディショニング30回券228,000円(税込)~ ※通常価格から5%OFF |
利用できる店舗 | 銀座 |
(4)TOTALWorkout
利用者(従業員)の体の状態や目的に応じた目標設定から始まり、パーソナルトレーニングと食事指導を通して健康づくりをサポートする法人サービスです。
プラン概要 | 法人プランの詳細については要問い合わせ |
利用できる店舗 | 渋谷、六本木、福岡 |
(5)fits大阪
大阪府で展開する完全個室型、完全マンツーマン指導のパーソナルトレーニングジムの法人プランです。一括購入したチケットを使って、従業員がパーソナルトレーニングのサービスを受けます。
プラン概要 | 一括購入チケット/1回あたり6,500円~(お試し10回5,000円)
常時5名以上の従業員(代表者含む)の利用 |
利用できる店舗 | 大阪府下10店舗、女性専用店舗を含む |
パーソナルトレーニングジムを福利厚生で利用する難しさ
福利厚生はすべての従業員が利用できることが前提になるため、他拠点展開している会社は、管理の手間やサービスの均一化、コスト面などの理由で、全国一律で利用できるサービスを選ぶ傾向があります。しかし、マンツーマンのサービスであるパーソナルトレーニングのジムは、全国展開している事業者が少なく、事業規模が大きい会社ほど導入しづらくなります。
また、一般的なフィットネスジムと比較すると費用が高い点も、福利厚生費の予算配分を考える上で施選択を難しくすると考えられます。
これらのデメリットは、多くの従業員と事業拠点を持つ大企業ほど強く影響します。
しかし、事業拠点が少ないベンチャーや中小企業では利用できるエリアが限られても支障がない場合が多く、大手企業よりも、福利厚生としてパーソナルトレーニングジムを導入しやすいかもしれません。
フィットネスジムよりも付加価値の高いパーソナルトレーニングジムを導入することで、健康意識の高い会社、従業員の健康に配慮している会社というイメージにつながります。健康意識の高い人が福利厚生でパーソナルトレーニングを利用できることに好印象を抱いたり、入社を後押しするファクターとなったりする可能性もあります。
福利厚生のカフェテリアプランには多くのフィットネスジムが登録されていますが、パーソナルトレーニングジムはまだ少ないです。健康意識の高い会社というブランディングをめざして、パーソナルトレーニングジムを選択するのもよいのではないでしょうか。
パーソナルトレーニングジムとオンライン、どちらがいいかを考えよう
パーソナルトレーニングの効果や福利厚生として導入するメリットはご理解いただけたと思います。
健康のために運動が必要だと理解していても、なかなか続けられない人も多いです。運動習慣は続けられければあまり効果を期待できません。しかし、健康促進のニーズにマッチしているだけでは、運動を継続するモチベーションにはなりづらいのです。
福利厚生の利用率を高める条件は、利便性と利用者の満足度です。従業員の皆さんが利用しやすいこと、つまり会社の働き方にあっていることとコンテンツの質の高さが求められます。
パーソナルトレーニング、フィットネスジムのほかに、コロナ禍をきっかけにオンラインセッションという選択肢もできました。オンラインのフィットネスは全国どこからでも参加できるメリットがあり、地域や職種に関係なく、利用しやすいのが特長です。リモートワーク中の社員への支援としても有効です。
健康のためだけでなく、“楽しいから続けたい”と思われる、質の良いサービスを選びましょう!どんなサービスが喜ばれるかは、年齢層、生活環境などの従業員の特性とニーズによっても変わってきます。あわせて、福利厚生を管理する立場での利便性も視野に入れて検討されるとよいでしょう。