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在宅太り、メンタル不調etc…リモートワークによる”健康の変化”に迫る!

リモートワーク

コロナ禍で起こる健康被害は、コロナ感染だけではありません。
コロナによる生活や働き方の変化が、体や心の病気を引きおこす可能性があります。
この「健康二次被害」はリモートワークを導入している企業では、労務管理や従業員の健康管理に関する喫緊の課題とも言われています。
リモートワークによる健康の変化、その原因と対策について解説します。

 

コロナ禍の健康二次被害と言われるリスク

コロナ禍は社会活動や経済だけでなく、私たちの生活にも大きな影響をもたらしました。厚生労働省はコロナによる生活の変化に起因する健康リスクを「健康二次被害」と呼び、警鐘を鳴らしています。

健康二次被害で懸念されるのは主に生活習慣病ですが、もともと持病だった人が悪化するだけでなく、コロナ以降、病気の兆候が出てきたという人も多いようです。また、ストレスによる心の病も増加しています。

ごく身近なところではコロナ太り。自覚している人も多いと思います。
もともと痩せ型の人や太っても標準体重の範囲内であれば笑い話ですむかもしれませんが、メタボ予備軍や生活習慣病が始まっている人にとっては重症化へのリスクとなります。単なる肥満と甘く見てるのはとても危険です。過度の肥満は、糖尿病などの根治できない病気への入り口でもあるのです。

もうひとつが、コロナによる孤立やストレスの蓄積です。
特にリモートワークを導入している会社では職場の仲間と話す機会が激減し、仕事帰りに友人と会うことも難しくなっています。

運動不足と同じくらいコミュニケーション不足の影響は深刻です。話すことがガス抜きになっていた人はストレス解消の機会を失ってしまいます。また、仕事や生活の変化によって、孤立感を感じてしまう人も少なくないようです。

 

これらの健康二次被害は企業経営の新たなリスクとも言われており、特にリモートワークを導入している企業では労務管理とあわせて、従業員の健康管理への取り組みが注目されています。

 

リモートワークにおける健康の変化とその原因

健康や規則正しい生活のためにオフィスワークを希望する人が6割超

株式会社 oricon ME(東京都港区)は「ビジネスチャットツール」「Web会議ツール」の顧客満足度調査の一部設問からまとめたテレワークの利用実態に関するレポートを発表しています。

レポートによると、今後のテレワーク実施については、「オフィスワークがいい」という回答が29.0%、「どちらかといえばオフィスワークがいい」の31.6%とあわせると全体の60%以上がオフィスワークを希望していることがわかりました。

オフィスワークを希望する理由としては「自分の仕事が在宅勤務に適していない」という回答がもっとも多く、続いて「出勤した方が規則正しい生活リズムを維持できる」「出勤した方が適度な運動になって良い」という、自分自身の生活や健康のためにオフィスワークを希望する人が多かったことがわかりました。

出典:オリコン 『テレワーク』に関する利用実態レポートhttps://life.oricon.co.jp/information/329/?media=michitari&category=analysis

 

リモートワークにおける健康の変化の原因

リモートワークによる健康の変化としては、運動不足による肥満や筋力の低下、ストレスによるメンタルの不調、そして生活習慣病のリスクが考えられます。ここでは、健康の変化とその原因について考えてみます。

(1)運動不足による肥満、筋力の低下

リモートワークで通勤が無くなれば、運動量は確実に減少します。通勤や仕事中の活動が無くなっている訳ですから、日常的に運動する習慣がある人でも運動量を補填していない限り、運動不足になっているはずです。

運動不足が続けば、筋力や筋肉量は低下します。あまり意識していませんが、地球の重力に逆らって立ったり、歩いたりする動きは、自分自身の筋力に頼っています。つまり、通勤や仕事で歩く機会が無くなった分、背中、お腹、おしり、大腿、ふくらはぎなどの抗重力筋と言われる筋肉が使われなくなっているのです。

 ご存じの通り、筋肉が少ないと基礎代謝量が低下して太りやすくなります。それだけでなく、筋肉と認知症発症に関連性があるという研究も進んでおり、筋肉と脳の活性化には密接な関係があると言われています。運動不足は新陳代謝の低下につながりますが、それによりストレスを感じやすくなるという研究があるそうです。

(2)ストレスによるメンタルの不調

仕事の進め方や環境の変化、そして、単独で仕事をするプレッシャーや孤立感など、リモートワークにはさまざまなストレスが潜んでいます。家族がいる自宅で仕事に集中できないなどのストレスもあるようです。前述の通り、運動不足による新陳代謝の低下によってストレス耐性も低下してしまう可能性があります。

リモートワークで、不要不急でない会話がなくなっていることでガス抜きの機会が減ってしまい、メンタルの不調があっても互いに気づきづらくなっています。

(3)生活習慣病予備軍の増加

リモートワークにより、生活習慣病のリスクが高まっていると言われています。
運動不足による体脂肪、特に内臓脂肪の増加は、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の高いリスクとなります。運動不足からくる新陳代謝の低下の悪影響も見過ごせません。 

健康診断で兆候ありと指摘されている中高年層だけでなく、20代、30代でも、あっと言う間にメタボの仲間入りをしてしまいます。

リモートワークにおける健康の変化への5つの対策

リモートワークによる健康の変化への対策を紹介します。

(1)運動習慣をつける

運動不足は、健康の変化のすべてに関係しています。リモートワークによって減少した分の運動量を補う形で、運動習慣をつけるといいでしょう。

(2)食生活を見直す

在宅で仕事をするようになって食生活が変わり、コンビニのお弁当やデリバリーが中心になったという方がいます。悪いことではありませんが、コンビニのお弁当やデリバリーは揚げ物や味付けが濃いものが多いので、メニューの選び方に配慮するとよいでしょう。また、流行りの時短レシピやアレンジレシピには、塩分量多めのものもあります。自炊だからと油断せず、栄養バランスを意識しながら食生活を見直しましょう。

 (3)ストレスの原因に対処する

自分が何に対してストレスを感じているのかを洗い出してみましょう。原因がわかっただけでスッキリすることもありますし、自分なりの工夫で解決できる可能性もあります。自分だけで解決できない場合でもひとりで抱えこまず、上司や同僚に相談することが大切です。

(4)ストレス解消の方法をみつける

ストレスは解消できれば、それほど深刻な害はありません。効果的なストレス解消法は人それぞれですが、心身をリラックスする時間をつくることが基本と言えます。没頭して楽しめる趣味の時間や運動は効果的です。

特に、運動後の達成感は気分が落ちこんだ時の自信回復につながり、運動習慣をつけることで運動不足も解消できます。

(5)生活を改善する

通勤が無くなって生活のリズムが崩れてしまうと、質の良い睡眠がとりづらくなったり、体の機能をコントロールする自律神経の乱れが起きる可能性があります。また、自宅でのリモートワークによって、仕事と私生活の切り換えがうまくいかなくなる場合もあります。起床、就寝する時間を決めたり、オンオフを切り換えるよう工夫するなど、生活のリズムを整えるよう心がけましょう。

 

自己管理だけではムリ?健康経営に注目する企業が増加

仕事の環境が整っていない?在宅リモートワーク

健康を維持するには日頃の自己管理が大切ですが、それだけでは解決が難しい部分もあります。それがリモートワークです。本来は個人の生活の場である自宅で仕事をする在宅勤務では、仕事に適した環境が整っていない場合が多いです。体への負担となり、そのために体調不良となる場合もあります。

厚生労働省は「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」の中で、リモートワークの作業環境について留意すべき点をまとめています。しかし、家具類など、オフィスワークに向かないからと言って簡単に買い替えられないものもあります。また、ストレスの原因が仕事の進め方や管理体制にある場合、個人の努力だけで解決するのは難しいでしょう。

健康経営に目を向ける企業も

企業には、リモートワーク下でも従業員の労務管理には責任があります。むしろ目が届きづらい環境だからこそ、よりきめ細かな配慮が必要になります。リモートワークにおける労務管理、健康管理に関する対策を講じるのと同時に、より高次の視点で「健康経営」に関心を持つ企業が増えているようです。

出典:厚生労働省 テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドラインhttps://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdf

 

従業員の健康を考えてくれる会社で働きたい

就職活動や転職活動で会社を選ぶ際、仕事内容や給料を重視する人は多いでしょう。その他に注目されている視点、それが「健康経営」です。

「健康経営」とは従業員等の健康管理を経営的な視点でとらえ、従業員の健康維持のための投資や業務改善を行う企業としての取り組みです。経営的な視点と言ってもピンと来づらいかもしれませんが、その背景には「長く、安定して活躍してほしい」という人材への想いがあります。企業の持続可能性に通じる、長期的な経営戦略ですね。

 

従業員の健康への配慮は、その会社の労務管理や福利厚生を見ればわかります。しかし、制度だけは充実していてもあまり利用されていなかったり、利用しづらい雰囲気があったりということもあります。社員同士で福利厚生サービスを活用すれば、コミュニケーションの活性化や一体感の形成につながり、社内の雰囲気や居心地もよくなるでしょう。制度を用意するだけでなく、会社側がそういう活用を後押ししてくれると尚よいと思います。

 リモートワークによって、会社と社員の関係性が希薄になっていると言われていますが、ほとんどの人は、社員を大切にする会社で働きたいと思っています。従業員の健康を守ろうと考えるのは、会社の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

 

BRST COLUMN編集チーム Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、ビジネス系を中心にアニメ・マンガ、車から美容・健康まで対応!コロナ禍での運動不足から、ウェルネス習慣、おうちフィットネスへの関心が爆上がり中。